LGBTと
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法律家ネットワーク
活動実績2017.09.28

【開催報告】第2回Equality Gala 閉会のご挨拶 高山理事 「ユニバーサル・デザイン」

午後7時から2時間30分にわたって開催された第2回Equality Gala。

閉会に先立って弊団体理事高山(野村ホールディングス株式会社執行役員チーフリーガルオフィサー)が出席の皆さま・ご来賓の皆さまに御礼を申し上げました。高山は、すべての人が何らかの意味でマイノリティであることに思いをいたすことによって、社会における「ユニバーサルデザイン」の意義・重要性をよりよく理解できるのではないかということ、また、一人ひとりが抱いた思いをそのままにすることなく家族・友人・同僚等とシェアすることによって「理解と受容の輪」が加速度的に広がるので、是非対話を進めていただきたいと呼びかけました。改めてご出席の皆さま、ありがとうございました。

 

今日のこの会を締めくくるにあたり、僭越ながら、今、考えていることを2点ほど述べたいと存じます。

まず第1点は、「社会のユニバーサルデザイン」ということです。建築や工業デザインの世界で、はじめバリアフリーというコンセプトが浸透し、その後にユニバーサルデザインというコンセプトが急速に広まった、ということがありますが、障碍を持たれている方に使いやすい道具や建物は、健常者にとっても使いやすい、というのと同様、マイノリティの方々がいきいきと個性を発揮できる社会は、マジョリティの方々にとってもそうであるはずです。
またユニバーサルデザインというコンセプトの裏には、「すべての人が何らかの障害に直面することがある」という発想がありますが、「すべての人が何らかの面でマイノリティになることがある」と皆が思うことで、「社会のユニバーサルデザイン」は更に良く理解されるのでは、と思います。皆様、特にアライとしてここにいらっしゃる皆様、いままでの人生、あらゆる面でマジョリティとして歩いてこられたでしょうか。たぶんそんなことはないと思います。私自身は外国に何度か住んだことで、人種的マイノリティとして差別的に扱われる経験を少しだけ致しました。ショッピングモールの駐車場を歩いているとき、すれ違いざまに「私は日本人大嫌い!」と吐き捨てるように言われたこともありますし、がらがらに空いているレストランで、わざとトイレの前の席に案内されたことも何度かあります。LGBTの方々が置かれている現状に比べればまことに些細な経験で恐縮ですが、それでも、全ての人々が胸に手を当て、自分がマイノリティになった時のことを思い出し、またどうしても思い出せないという方は想像するだけでも、社会はずいぶん生きやすいものになるのではと思う次第です。これが、私の考える「社会のユニバーサルデザイン」です。

二点目です。今日、この会場には170人ものたくさんの方々に集まって頂き、熱気にあふれております。素晴らしいことです。ですが、今日この日の感動がこの場にとどまっているだけでは、今日のGalaが大成功だとはまだ言えないと思います。この会場に集まった皆様ひとりひとりが、今日見て、聞いて、体験されたことを、ご家族や、ご友人、同僚の方々とお話しになられ、その方々がまたそのお話を周囲の方とシェアする、そのうち何人かは自分も同じような体験をしたくなる、そうなることで、さらにLGBTをはじめとするセクシャル・マイノリティを理解し受容する輪が加速度的に広がることになると思います。恥ずかしながら、私の家族も、この面での成長は未だ道半ばというところですので、今日、帰ってから、早速今日の体験を確り伝えたいと思いますので、皆様もどうか宜しくお願い申し上げます。

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